ドイツ政府は26日、2020年に策定した国家水素戦略の改定案を閣議決定した。国内の水素消費量は30年までに最大130テラワット時に達すると予想し、国内の水素生産能力の目標を従来の2倍に引き上げている。
改定案では、運輸部門と家庭用暖房を新たに水素導入の対象分野に加えた。この結果、水素の消費量が今後さらに拡大し、30年には現在の電力消費量の20%超に相当する130テラワット時に達する可能性もあると予想している。
これを受け、政府は国内の水電解装置の容量を30年までに10ギガワット以上に拡大する目標を打ち出した。従来の目標は5ギガワットだった。ただ、国産の水素だけで需要を満たすことは不可能なため、国内消費量の50~70%を輸入で賄う必要があるとみている。政府は現在、水素の輸入戦略を別途、策定している。
改定案では、化石燃料由来の低炭素水素の使用は認められているものの、政府補助の交付対象は再生可能エネルギー由来のグリーン水素に限定される。
水素輸送インフラについては、28年までに第1弾となる総延長1,800キロメートル超の水素パイプライン網が敷設される見通し。同プロジェクトは「欧州共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI)」に指定されており、欧州連合(EU)が資金の一部を拠出する。政府は、30年までに国内の主な水素の生産、輸入、貯蔵拠点を顧客とつなぐことを目指している。[環境ニュース]
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