ドイツ政府は13日、中国に対する外交・経済戦略などをまとめた初の指針を策定した。最大の貿易相手国である中国からの依存脱却を目指す方針を明確化したもので、同国の自国優先主義を批判するとともに、貿易の多角化を図る姿勢を示した。
政府はこの中で、中国との政治的および経済的なつながりについて、「欧州と中国の双方に利益をもたらしてきた」と強調。ただ、人権侵害や他国への政治介入などを巡る懸念の高まりや、半導体部材の輸出制限で揺さぶりをかけるなど「自国優先主義を強めている」と指摘した上で、重要な技術の保護に向け輸出規制リストを見直す計画を明らかにした。
一方、中国市場への依存度が高い国内企業に対しては「リスク対応のコストが拡大していく」と懸念を示した。中国側と取引を行う場合には、サプライチェーン(供給網)全体で人権問題がないか監視するよう警告している。
このほかでは、中国に対して、世界貿易機関(WTO)ルールの順守を求めていくほか、台湾を不可分の領土とする「一つの中国」原則には反対する姿勢を明確にした。
政府は6月に閣議決定した国家安保戦略の中で、中国との競争関係が深化しているとの見解を明らかにしている。
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