英国の財務省は9日、エネルギー価格高騰の恩恵を受ける石油・ガス会社に課している超過利潤税について、石油・ガス価格が一定の水準を2四半期連続で下回った場合、廃止すると発表した。ただし、予算責任局(OBR)の見通しによると、現行の超過利潤税の適用期限である2028年3月までに廃止される可能性は低いという。
政府は昨年5月、ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格の高騰を受け、石油・ガス会社に対する25%の超過利潤税を導入。同年11月には35%に引き上げた。これにより、企業の石油・ガス事業の利益に対する課税率は合計75%と、世界最高水準になっている。
財務省は今回、6カ月にわたり平均石油価格が1バレル当たり71.4ドル以下、平均ガス価格が1サーム当たり0.54ポンド以下となった場合、超過利潤税を廃止し、石油・ガス会社への課税率は40%となると説明した。
国内のエネルギー企業はかねて、投資縮小につながるとして政府に超過利潤税の引き下げを求めていた。財務省は今回の決定は、こうした産業界の警告を反映したものだとしている。
同省は超過利潤税の導入で、これまで約28億ポンドの税収を確保した。28年3月までには約260億ポンドの税収が見込まれている。
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