英国経済は今年後半には回復するものの、通年では横ばいにとどまる――。大手会計事務所アーンスト・アンド・ヤング(E&Y)が出資するシンクタンク、アイテムクラブ(ITEM Club)が16日に発表した経済見通しの中でこうした見方を明らかにした。
アイテムクラブはインフレ率が年内に1.7%まで低下し、これにより個人消費が押し上げられると予想。国内総生産(GDP)成長率は来年には1.6%、2014年には2.6%に達するとみている。首席経済アドバイザーのピーター・スペンサー氏は、「インフレにより実質賃金は過去4年で7.5%減少したものの、この傾向はほぼ終わりとなる」と説明。可処分所得は通年では0.4%増となり、来年には1.5%増えるという。ただ失業率は年内に8.6%、2013年には8.7%でピークに達するとしている。
またユーロ圏の債務危機は依然として今後の経済回復にとってリスク要因となるものの、危機への取り組みが進むにつれ企業の景況感も上向きになると指摘。企業の設備投資は今年に3.4%拡大する見込みだが、リセッション(景気後退)に陥る以前の水準まで回復するのは2015年になるとみている。
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