英産業連盟(CBI)が25日発表した7月の製造業の業況調査によれば、受注残高が「通常の水準を上回っている」と答えた企業の割合は、「下回っている」を6ポイント下回った。引き続きマイナスとなったものの、前月と比べると5ポイント改善し、市場予想も上回った。この日発表された英国の経済成長率が予想以上に悪化する中、回復に向けてかすかな望みを感じさせる結果となっている。
CBIは6月25日から7月11日にかけ、398社を対象に調査を実施した。それによると、過去3カ月の新規受注が「増えた」と回答した企業の割合は「減った」より3ポイント多かった。4月時点の8ポイントには届かなかったものの、長期平均のマイナス3ポイントは上回った。ただ輸出向け新規受注に限ると、4月のプラス4ポイントからマイナス6ポイントへと大幅に悪化している。
一方、向こう3カ月の新規受注の見通しはプラス4ポイントと、4月の24ポイントから大きく下落。特に輸出向け受注はプラス23ポイントから0ポイントに落ち込んでいる。今後の業況見通しについても「楽観的」が「悲観的」を6ポイント下回り、3カ月前のプラス22ポイントから大幅に悪化した。
CBIの首席エコノミスト、アンナ・リーチ氏は今回の調査結果について、「英製造業にある程度の抵抗力があることを示した。過去3カ月は需要・生産とも堅調に伸びており、向こう3カ月もこうした傾向が続くだろう」と分析。ただ、「最大の輸出先であるユーロ圏の債務危機が続く中、製造業の先行きは不透明だ」としている。
CBIのジョン・クリッドランド事務局長は、第2四半期(4~6月)の国内総生産(GDP)が前期比0.7%縮小したことに失望する一方で、「企業の話を聞くと、今はマイナス成長というよりも横ばいとの見方が圧倒的に多い。英経済が年後半に回復する可能性はある」とコメントしている。
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