英国の中規模企業の半数近くは、4月に法人税率が19%から25%に引き上げられたことを受け、事業投資を遅らせる計画のようだ。ただし、設備投資に対する税控除も始まったことで、影響は短期的ともみられている。ベルギーの大手会計事務所BDOが5月22日、こうした調査結果を明らかにした。
BDOは3月30日から4月16日にかけ、売上高が1,000万~3億ポンドの英国企業512社を対象に調査を実施。法人税率引き上げを受け投資を遅らせる方針を示したのは46%だった。また、39%が解雇または採用の遅れにつながると答え、31%は英国からの拠点移管を検討するきっかけになったとしている。
一方、2026年3月まで工場や機械への投資を全額、税控除の対象とする新制度については、68%が設備投資の拡大につながるとして好意的に捉えている。また、週30時間の託児費用を無料とする措置の対象年齢が現在の3~4歳から段階的に9カ月~4歳に拡大されることについては、88%が新規雇用しやすくなると回答した。
BDOは今回の結果について、英国の法人税制の国際競争力を巡る強い懸念が浮き彫りになったと指摘。一方、育児支援の拡大は企業に歓迎されており、雇用継続や新規採用を目指す企業にとってゲームチェンジャーになると評価している。[労務]
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。