ドイツ商工会議所連合会(DIHK)は22日に発表した報告書で、ドイツ経済は強靱(きょうじん)さを見せているものの推進力に欠けるとの見方を示した。広範囲に及ぶ改善の兆しは依然として見られないとして、2023年の国内総生産(GDP)成長率が停滞するとの見通しを維持した。
DIHKは今回、国内2万1,000社を対象に調査を実施。現在の事業状況を「良い」と評価したのは34%、「満足」は51%、「悪い」は15%と、年初の前回調査から変化がない。「良い」と「悪い」の差は19パーセントポイントと、長期平均の21パーセントポイントをやや下回っている。
最大の事業リスクと見なされているのはエネルギーおよび原材料価格で、65%がリスクだと回答。これに次ぐ人件費は、53%の企業がリスクと見なしている。
DIHKは、厳しい経済情勢にもかかわらず企業は大きな回復力を見せているが、ドイツ経済は推進力に欠け、現状では世界経済と内需による勢いづけは期待できないと指摘。国内経済の強化が必要で、民間投資だけでなくインフラ開発にも新たな刺激が必要だとしている。
■昨年の対内FDIは小幅縮小
ドイツ貿易・投資振興機関(GTAI)はこの日、22年の対内海外直接投資(FDI)が1,783件となったと発表した。21年と比べ23件減ったものの、20年からは99件増えている。
投資元国では米国が279件と最も多く、これにスイス(208件)と英国(170件)が続く。4位の中国は141件と14年以降で最少となった。一方、5位のトルコは139件と過去最多を記録している。
GTAIは、ウクライナ侵攻やエネルギー危機、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の余波などの逆境を考慮すれば、昨年の結果は成功だと説明。ドイツは引き続き魅力的な場所だとしている。
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