先進7カ国(G7)は19~21日、広島で首脳会議(サミット)を開き、ウクライナ情勢や核軍縮・不拡散、世界経済などについて協議した。初日にはウクライナに関する声明で、ロシアの軍事力弱体化に向けた制裁の拡大を発表。ロシア産ダイヤモンドの取引制限に向けた緊密な協力でも合意した。最終日には、ウクライナのゼレンスキー大統領が対面で会議に参加した。
G7首脳は19日、平和記念公園を訪れ、原爆資料館の見学や原爆慰霊碑への献花を行った。ロシアによる核の威嚇を受け入れず、使用は許されないとの立場を改めて表明している。
同日の協議では、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り、G7を超えた国際的なパートナーとの関与を強化することの重要性で一致。クリーンエネルギー経済への移行や特定国への依存低減、信頼性あるサプライチェーン(供給網)の構築に向けた緊密な連携についても確認した。デジタル分野では、G7の価値に沿った生成系人工知能(AI)や没入型技術のガバナンスの必要性を確認し、生成系AIについて担当閣僚による議論を進め年内に報告することを約束した。
ウクライナに関する声明では、ロシアによる侵攻を改めて強く非難し、即時撤退を要求。ロシアの「侵略に重要な全ての品目」に輸出制限を広げ、製造や建設、輸送などの分野で従事者やビジネスサービス分野を対象に加える方針を示した。また、ダイヤモンドの輸出収入を減らすため、ロシア産ダイヤモンドの取引・使用制限に向けて追跡技術を含めた制限的措置の効果的な実施を目指す。
外交・安全保障を巡る協議では、インド太平洋情勢について意見交換を行い、中国などへの対応で緊密な連携を続けることを確認。核軍縮に焦点を当てた声明を発出し、核兵器のない世界実現に向けたコミットメントを再確認した。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。