米国のバイデン大統領は11日、英領北アイルランドのベルファストに到着した。1998年の北アイルランド紛争終結時に結ばれたベルファスト合意が、10日に25年の節目を迎えたことを受けたもの。北アイルランドには12日まで滞在し、英国のスナク首相との会談や、周年記念の演説に臨む。その後はアイルランドに移動し、14日まで滞在する。
バイデン氏は訪問に先立ち、ベルファスト合意は数十年にわたる武力衝突を終わらせ安定をもたらしたと評価。ベルファストで記念日を祝い、平和維持と繁栄促進に向けた米国の取り組みを強調することに意欲を示した。
同氏はスナク氏と会談した後、アルスター大学で演説を行う。また、北アイルランド議会の主要5政党の代表とも面会する見通し。
アイルランドでは、同国のバラッカー首相およびヒギンズ大統領と会談するほか、アイルランド議会での演説も予定されている。首都ダブリンのほか、アイルランドから米国に渡った祖先ゆかりの東部ラウス県および西部メイヨー県も訪れる。
アイルランドは1922年、英連邦内の自治領として独立したが、北アイルランドとなる北東部6県は英国領にとどまった。北アイルランドでは、アイルランド帰属を求めるカトリック系と英国統治を望むプロテスタント系が対立し、60年代後半に北アイルランド紛争に発展。英国とアイルランドは98年、ベルファスト合意を結び、紛争を終結させた。
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