ドイツを代表する四つの経済研究所は5日発表した春季合同経済予測の中で、ドイツの今年の国内総生産(GDP)成長率の見通しを昨年9月時点のマイナス0.4%からプラス0.3%に引き上げた。今冬の景気後退は予想より緩やかで、供給の混乱も緩和されたが、インフレ率の低下には時間がかかるとみている。
合同経済予測は、連邦経済技術省の委託により春と秋の年2回発表される。今回の予測は、Ifo経済研究所、キール世界経済研究所(IfW)、ハレ経済研究所(IWH)、RWI経済研究所の四つの研究所が合同でまとめた。
冬季の景気後退が和らいだ主な理由は、政府の支援策によりエネルギー価格が大きく下がったことで、購買意欲の低下が予想より緩和されたためだという。インフレについては、支援策と賃金上昇に支えられた旺盛な需要が供給を上回ることで、大幅な低下には時間がかかるとみている。
GDP成長率は、昨年の1.8%から今年は0.3%に減速するものの、来年には1.5%への再加速を見込む。インフレ率は今年に6%に減速した後、来年には2.4%まで低下すると予測している。
Ifoは、世界で広がる銀行部門の混乱について、合同経済予測には影響を与えていないと説明。ただし、混乱が悪化すれば欧州中央銀行(ECB)が引き締め路線から離れ、インフレ率がより長く高止まりする可能性もあるとしている。
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