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英、CPTPP加盟決定 離脱以降で最大の貿易協定

英政府は3月31日、「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)」への加盟が決定したと発表した。2年近くに及ぶ交渉を経て、日本やカナダなど加盟11カ国の代表がこの日、同国の加盟に合意した。CPTPPに欧州の国が加盟するのは初めて。英国にとっては、欧州連合(EU)離脱以降に合意した貿易協定の中で最大の規模となる。

英国は、EU離脱後の移行期間が終了した直後の2021年2月にCPTPPへの加盟を申請。同年6月に加盟交渉が正式に開始された。同協定には日本とカナダのほか、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、マレーシア、ベトナム、ブルネイ、メキシコ、ペルー、チリが参加する。CPTPPが18年の発効以降に新たな加盟国を迎えるのは、今回が初めて。

英国のスナク首相は「今回の合意は、ブレグジット後の自由がもたらす実質的な経済メリットを証明するもの」とコメント。「CPTPP加盟により、英国はダイナミックで成長著しい環太平洋諸国経済の中心に位置づけられることになる」と話している。

英国政府は、同国のCPTPP加盟が各国内での批准手続きを経て、年内に実現するとの見通しを示している。

英国の加盟により、CPTPPの人口は計5億人となり、国内総生産(GDP)の合計は世界の15%を占めることになる。ただ英上院・国際協定委員会によると、CPTPP加盟による英国のGDPへの押し上げ効果は0.08%にとどまる見通し。将来的に韓国やタイが加盟すれば経済効果は大幅に拡大する見込みだが、短期的に大きなメリットは期待できない。

CPTPPには現在、中国と台湾、エクアドル、コスタリカ、ウルグアイの5カ国が加盟を申請しているほか、韓国、タイ、フィリピンなども加盟申請の意向を示している。ただ、中国は日本など複数の加盟国と貿易紛争を抱えるほか、メキシコおよびカナダと自由貿易協定を結ぶ米国が反対する公算が大きく、加盟が円滑に進む可能性は低い。


関連国・地域: 英国アジア中南米カナダ
関連業種: マクロ・統計・その他経済政治

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