英政府は30日、エネルギーの安全保障強化と自立性確保に向けた戦略計画を発表した。二酸化炭素(CO2)回収・利用・貯留(CCUS)や浮体式洋上風力発電、原子力、グリーン水素などへの投資を促進し、よりクリーンで安価なエネルギーで実質排出ゼロを目指す。これにより、2030年までにグリーン分野で約50万人の雇用創出を支える。
CCUSについては、先に振り向けた200億ポンドの予算に基づくプロジェクトを進め、浮体式洋上風力発電向けには港湾インフラ整備支援に1億6,000万ポンドの基金を立ち上げる。原子力分野の支援では、小型モジュール炉(SMR)の設計コンペを秋までに実施する。
水素を巡っては、総額2億4,000万ポンドの「ネットゼロ水素基金」から新たなグリーン水素生産プロジェクトを支援。再生可能エネルギーについては投資促進策の第5ラウンドを立ち上げるほか、発電施設の建設計画を迅速化することで投資を誘致する。
電気自動車(EV)の普及に向けては3億8,100万ポンド超を投じて充電ポイントやインフラを拡大。建物分野では、住宅30万戸のエネルギー効率改善を支援するほか、暖房の脱炭素化に向け熱ポンプ製造支援に3,000万ポンドを拠出し、2億7,000万ポンドの民間投資を狙う。
シャップス・エネルギー安全保障・ネットゼロ相は、今回の発表には70件の政策が含まれていると説明。ただし、これまでに発表された政策も含まれるため、野党は新規投資のない焼き直しだと批判している。[環境ニュース]
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