スコットランド民族党(SNP)は27日、先に辞任を表明したスコットランド行政府首相のスタージョン氏の後任を決める党首選で、同行政府のユーサフ保健相(37)を選出したと発表した。スコットランド議会での承認を経て、29日に行政府首相に就任する見通し。
ユーサフ氏はパキスタン出身の父とケニア出身の母を持ち、イスラム教徒として初めてスコットランド行政府に入閣。党首選に際し、スコットランド独立や累進課税による子どもの貧困対策、生活費高騰への対処などを公約に掲げていた。
スコットランド独立については、次回選挙を独立に向けた事実上の住民投票とするスタージョン氏の計画とは一線を画し、独立を支持する「一貫した多数派」の確保を目指すと説明。ただし、独立への支持を試すため、解散総選挙の実施を検討することもあり得るとしている。
今回の党首選は、ユーサフ氏とスコットランド行政府のフォーブス財務相、リーガン前地域安全担当閣外相の3人で争われた。第1回投票でリーガン氏が敗退。第2回投票の得票率はユーサフ氏が52%、フォーブス氏が48%だった。
選挙戦では、スタージョン政権が導入した性別変更手続きを簡易化する法案が争点の一つとなり、フォーブス氏とリーガン氏はこれに反対。一方、スタージョン氏の忠実な側近だったユーサフ氏は賛成していた。英政府は施行を阻止する方針を示しているが、ユーサフ氏は政府にその権利はないと反発している。
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