ドイツのショルツ首相は3日、米国のホワイトハウスでバイデン大統領と会談した。同首相の米国訪問は、ロシアのウクライナ侵攻以降で初めて。会談では、中国がロシアに軍事支援を行う可能性などについて協議が行われたもようだ。ドイチェ・ウェレなどが伝えた。
ショルツ氏の今回の訪米は、記者団を伴わない異例の形で行われた。バイデン大統領とは1時間にわたり会談し、その大半が一対一での協議に費やされたもようだ。
両国とも、現時点で中国がロシアに武器を供与する確証はないとしている。ただ、これが現実となり、米国が対中国制裁を打ち出した場合、中国を最大の貿易相手国とするドイツは苦しい立場に立たされる。米国は、ドイツが対中国政策で経済的利益を優先することを懸念しているとされる。
こうした中、ショルツ氏は訪米に先立つ連邦議会での演説で、中国に対しロシアへの武器供与を行わず、「ロシア軍の撤退を促すために影響力を行使する」よう求めていた。米国の政府高官らはこれを歓迎している。
両首脳はこのほか、ウクライナへの支援拡大についても協議したとみられている。米国はこの日、ウクライナに総額4億ドルの追加軍事支援を行うと発表した。
また、ショルツ首相は協議で、米国が「インフレ抑制法(IRA)」で打ち出した国内グリーン産業への大規模な税制優遇にも言及したとみられている。欧州ではこれが域内企業の米国移転を促すとして問題視されている。
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