スコットランド行政府のスタージョン首相(52)が15日、辞意を表明した。スコットランド民族党(SNP)の党首も辞任する。同氏は初の女性行政府首相で、在任期間は8年と史上最長に及んだ。
スタージョン氏は、辞任の決断は短期的な圧力を受けてのものではなく、長期的判断に基づくものと説明。「行政府首相の任務は苛酷で、この種の仕事に全力を投入できる期間には限りがある」とし、「頭でも心でも今が潮時と判断した」と話した。
同氏は後任が決まるまで、首相とSNP党首にとどまる。後任候補としては、スコットランド行政府のスウィニー副首相や、フォーブス財務相、ユーサフ保健相のほか、ロバートソン元SNP副党首の名が挙がっている。
スタージョン氏はかねて、2023年10月19日にスコットランド独立を問う新たな住民投票を実施することを目指していた。しかし、英国政府の承認は得られず、昨年11月には英国の最高裁判所が、英政府の承認なしでの投票実施は認められないとする判決を下したため、住民投票は事実上、不可能となっていた。
同氏はこれを受け、次回の総選挙が「実質的な住民投票」になるとしていたが、党内からは独立問題を選挙戦で前面に押し出すことに反対する声も上がっていた。
スタージョン氏は、7年にわたりSNP副党首および行政府副首相を務めた後、14年9月のスコットランド独立を巡る住民投票で敗北を喫したサーモンド前行政府首相の後任として、同年11月にSNP党首および行政府首相に就任。その後の総選挙や地方選挙、スコットランド議会選挙では、SNPを勝利に導いていた。[労務]
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