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英政府、公共部門のスト制限法案を提出

英政府は10日、必要不可欠な公共サービスの従事者に対し、ストライキ中も最低限のサービス提供を義務付ける法案を下院に提出した。医療、教育、消防、救助、運輸、国境警備、原子炉廃止の6分野が対象となる。物価高を背景に公共部門のストが相次ぐ中、国民生活への影響を抑える狙いだが、労働組合はストの権利を侵害するとして、提訴も辞さない構えを示している。

シャップス民間企業・エネルギー・産業戦略相は下院で、公共部門の労働者のストの権利は保護するとした上で、「政府には国民の安全を守る義務がある」と強調した。この法案はドイツやフランスなど欧州の主要国で法制化されているものと同様の「常識的な内容」としている。

同相によると、国民医療制度(NHS)の看護師労組は先のストに際し、政府と最低限の人員を維持することで合意したが、救急隊員の労組からはこうした合意が得られず、法制化の必要性が示されたとしている。

これに対し最大野党・労働党のレイナー副党首は、労組は労働争議中の安全確保措置を既に取っていると反論。医療や運輸の危機は保守党政権が招いたもので、ストがなくても鉄道はまともに動かず、NHSの危機により国民は危険にさらされていると指摘した。

また労働組合会議(TUC)は、同法案は「非民主主義的かつ適用不能で、確実に違法だ」と反発。「この法案が成立すれば紛争が長引き、労使関係の悪化によりストがさらに頻発する」と警告している。[労務]


関連国・地域: 英国
関連業種: 医療・医薬品マクロ・統計・その他経済雇用・労務

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