2022年の最も大きなニュースは、ロシアによるウクライナ侵攻だ。突如戦闘開始を宣言し、ガス供給の遮断や核使用をちらつかせ、国際社会を大きく揺さぶった。エネルギー価格高騰や物価高の引き金にもなり、景気低迷の要因にもなっている。その一方、対ロシアで結束した欧州では、これまで中立を保っていた国々も北大西洋条約機構(NATO)への加盟申請に動き、安全保障面での結束強化につながった側面もある。
2月24日、ロシアはウクライナの首都キーウ(キエフ)を含む全土にミサイル攻撃などを一斉に開始した。当初は圧倒的な武力差からウクライナ側の劣勢が想定されたが、ゼレンスキー大統領の国際社会への強力な支援要請や、米国をはじめとする西側諸国による軍事援助が奏功。徹底抗戦を続け、長期化する可能性が高まっている。
ロシアは、欧州各国が経済制裁を決めたことに反発し、天然ガスの供給を停止。これがエネルギー価格の急騰を引き起こし、今なお続く物価高の引き金になった。また、プーチン大統領が侵攻に踏み切った背景として、新欧米派のゼレンスキー氏がNATO加盟意向を表明したことが影響したと指摘されているが、逆に中立だったフィンランドなどが加盟申請を決断し欧州の安全保障強化につながっている。
ウクライナからの避難者数は12月時点で1,600万人以上に達している。特に厳冬といわれる今年、祖国を追われた避難民の気持ちは察するに余りある。世界各地でウクライナ国旗が翻り、人々は平和の祈りを捧げる。この祈りが届く日が早急に訪れることを願うばかりだ。
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