英政府統計局(ONS)は11日、第3四半期(7~9月)の国内総生産(GDP、速報値)が前期比0.2%縮小したと発表した。物価高騰が企業と家計に打撃を与え、2021年第1四半期以降で初めてのマイナスに転落した。
産業別に見ると、英経済の原動力であるサービス業は前期から横ばい。第2四半期の0.2%増から減速した。うち自動車販売を含む運輸・倉庫・通信と、ビジネスサービス・金融は共に0.2%拡大。半面、流通・ホテル・レストランは0.7%落ち込んだ。
鉱工業は1.5%減り、前期の0.2%減から落ち込みが加速。うち製造業は2.3%減り、水道・下水・廃棄物処理は1.4%縮小。採鉱・採石は1%下向いた。一方、電気・ガス・蒸気・空調供給は2.6%拡大している。
建設業は0.6%増加。農林水産業は第2四半期から変化がなかった。
GDPは前年同期比では2.4%増加。前期の4.4%増から伸びが減速した。
中銀イングランド銀行は先に、GDPが下半期に約0.75%縮小するとの見方を示した。英国経済は夏までにリセッション(景気後退)入りしたとみており、景気後退は24年半ばまで続くと予想。インフレ率は第4四半期に最大11%に達する見通しだ。
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