ドイツのエネルギー大手ユニパー(Uniper)は3日、1~9月期の純損失が403億7,400万ユーロとなり、赤字が前年同期の47億6,800万ユーロから大幅に拡大したと発表した。ロシアからのガス供給減少が響き、ドイツ企業として過去最大の赤字を計上した。
売上高は2.7倍に増え2,133億300万ユーロ。これを事業別に見ると、主力の国際コモディティー事業は2.9倍に拡大した。欧州発電事業は3.4倍となり、ロシア発電事業は40.8%増加した。
グループのEBIT(利払い・税引き前利益、特別損益除く)ベースの損失は47億5,500万ユーロで、6億1,400万ユーロの黒字から赤字に転落。9月末時点の純負債は109億600万ユーロと、1年前から105億8,200万ユーロ拡大している。
ユニパーは、地政学的な面やロシアからのガス供給状況が不透明なことから、当面は正確な見通しを示すことができないと説明。通年については、特別損益を除くEBITと純損益が前年を大幅に下回り、共に赤字になると予想している。
ドイツ政府は9月、ユニパーを国有化することで、同社および支配株主であるフィンランドの電力大手フォータムと合意したと発表。総額80億ユーロを拠出し、株式約99%を取得する。取引は年内に完了する見通し。
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