ドイツの首都ベルリンで25日、ウクライナの復興と再建に向けた国際会議が開かれた。欧州連合(EU)のフォンデアライエン委員長と主要7カ国(G7)の議長国ドイツのショルツ首相が共同で主催したもので、EUとG7だけでなく、主要20カ国・地域(G20)や国際機関、市民団体などの専門家が話し合いを行っている。ウクライナのゼレンスキー大統領もビデオで参加した。
ショルツ首相は「ロシアのウクライナ侵攻がいつまで続くかは分からないが、終わりは必ず来る」とコメント。ロシアが撤退した後も、国際社会はウクライナの安全保障や自由の確保に向けた取り組みを支援していくことが重要だと述べた。
フォンデアライエン氏は、EUは侵攻開始以降、ウクライナに軍事面以外でも190億ユーロ以上を支援してきたと説明。「今後は、ウクライナが必要とする支援を常に提供すること、支援が広い領域をカバーできるよう適切な仕組みを構築すること、ウクライナのEU加盟を見据えた再建を後押しすることが鍵になる」と話した。
また、国際金融機関などの試算によると、ウクライナは国防や教育、保健医療、年金制度などを維持するための費用として、1カ月当たり30億~50億ユーロを必要としていると指摘。侵攻が続く間は、EUとして最大で月額15億ユーロの支援を行う方向で加盟各国と協議を進めるとしている。
さらに、支援を実施する枠組みとして、欧州委が7月に提案したウクライナ再建に向けたプラットフォームを迅速に始動させる必要があると指摘。このプラットフォームは国と各種機関、民間部門、社会を一つにまとめるとともに、気候中立やデジタル化など先を見据えた再建を実現する狙いがある。
このほか、ウクライナ国内で避難生活を余儀なくされている人は110万人近くに達しているとした上で、避難施設への救援物資の提供や、住宅や学校、発電所の修復などに尽力する考えを示した。
一方、ゼレンスキー大統領は、ウクライナ経済はロシアの攻撃で深刻な打撃を受けていると改めて強調。2023年度予算では財政赤字が380億ドルに上る見通しで、国際社会に支援を続けていくよう求めている。[EU規制]
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