トラス首相の後任を決める与党・保守党の党首選は24日午後2時(現地時間)に締め切られ、スナク元財務相が無投票で党首に選出され、新首相になることが決まった。出馬表明していたモーダント下院院内総務は直前で立候補を断念し、スナク氏を支持する姿勢に転じた。スナク氏はインド系移民で、英史上初のインド系首相が誕生する。
また、42歳のスナク氏は、43歳7カ月で首相となったキャメロン元首相を抜いて英史上最年少の首相となる。
スナク氏は選出後の演説で、「英国は偉大な国だが、深刻な経済問題に直面していることは疑いがない。われわれには『安定』と『団結』が必要だ」と訴えた。その上で、経済対策に最優先で取り組む姿勢を強調した。
BBCの集計によると、スナク氏の推薦は下院議員357人のうち200人近い支持を集めた。
スナク氏は金融界出身の経済通。ジョンソン政権では財務相を務め、コロナ禍での大型経済対策で評価を上げた。そのため、トラス政権下での経済政策の混乱収拾に向け適任と推す声が多く、着実に支持を広げた。前回の党首選ではトラス氏に決選投票で敗れたものの、議員投票では終始首位を維持した。
スナク氏に求められるのは、まずは経済の立て直しだ。ただ、ウクライナ問題をはじめ地政学リスクが高まる中、外交面についてはこれまで具体的な言及はしておらず、その手腕は未知数だ。
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