国際通貨基金(IMF)は11日に発表した世界経済見通しで、ユーロ圏19カ国の2022年の域内総生産(GDP)が前年比3.1%拡大するとの見方を示した。第2四半期(4~6月)の伸びが予想を上回ったことを受け、前回7月時点の予想から0.5ポイント引き上げた。ただ来年には大幅な減速を見込み、中でもドイツとイタリアはマイナス成長に陥るとみている。
ユーロ圏主要国の今年の成長率予測を見ると、ドイツは1.5%と、前回予測から0.3ポイント上方修正。フランスは0.2ポイント引き上げ2.5%とした。イタリアも0.2ポイント上方修正し、3.2%の伸びを見込む。スペインは4.3%と、0.3ポイント引き上げた。英国は0.4ポイント上方修正し、3.6%の成長を予想する。
IMFは、第2四半期に観光業を主力とするイタリアやスペインを中心にGDPが予想外に伸びたことが、今年のユーロ圏経済の見通しを押し上げたと説明。また、米国と比べて金利がまだ低水準にあることや、欧州連合(EU)の復興基金による支援を背景に、年内の急減速は回避されるとみる。
ただ、来年はロシア産ガスの供給減や金融引き締め策が響き、ユーロ圏経済は大幅に減速すると予想。23年の成長率見通しは前回から0.7ポイント引き下げ、0.5%とした。中でもドイツとイタリアは、それぞれマイナス0.3%、マイナス0.2%に落ち込むとの見方を示している。
また、英国の来年の成長率見通しは0.3%と、0.2ポイント引き下げた。先に公表された補正予算の効果で成長率がやや押し上げられる一方、インフレ抑制は困難になる可能性があるとしている。
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