ドイツ北西部ニーダーザクセン州で9日、州議会選挙の投開票が行われ、ショルツ首相率いる中道左派・社会民主党(SPD)が第1党を維持する見通しとなった。右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」と、国政でSPDと連立を組む環境政党・緑の党は大きく躍進。半面、同じく連立を組むリベラル派の自由民主党(FDP)は、議席を失う見込みとなった。
速報結果によると、SPDの得票率は33.4%で、2017年前回選挙の36.9%からやや低下した。これに続くのは国政で最大野党の中道右派・キリスト教民主同盟(CDU)で、得票率は28.1%。こちらも前回の33.6%から落ち込み、過去60年超で最低の結果となった。
一方、緑の党は14.5%と5.8ポイント上昇。AfDは4.7ポイント伸ばし10.9%の票を獲得した。FDPの得票率は4.7%と、議席獲得に必要な5%を下回った。
ニーダーザクセン州首相として3期目に突入する見込みとなったSPDのシュテファン・ウァイル氏は、同州で連立を組むCDUとの連立樹立を否定。緑の党と組むことを目指している。SPDと緑の党だけで、獲得議席数は過半数となる見通しだ。
今回の州議会選は、エネルギー危機に対処するショルツ政権にとっての試金石と位置づけられていた。SPDと緑の党が好調な結果を残す一方、FDPが支持を落としたことで、3党が連立を組む国政の不安定化も懸念されている。
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