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パイプライン損傷は「意図的」 EU、対抗措置も示唆

ロシアとドイツをバルト海経由で結ぶガスパイプライン「ノルドストリーム1」と「ノルドストリーム2」でガス漏れが確認されたことを巡り、欧州連合(EU)のボレル外交安全保障政策上級代表は28日、「意図的な行為の結果」との見方を示した。故意の破壊であることが証明されれば、断固とした対抗措置を取るとしている。

ガス漏れは、デンマーク領およびスウェーデン領バルト海の海底部分で発見された。両パイプラインの合わせて3カ所で、同時に損傷が起きている。

ボレル氏はこれについて、「入手可能な全ての情報が意図的な行為の結果であることを示唆している」とコメント。「欧州のエネルギーインフラに対する意図的な破壊行為は全く容認できず、強力で団結した対応に直面することになる」としている。

一方、ロシアの在デンマーク大使館も27日に声明を発表し、ガス漏れは破壊行為によるものとの見方を示した上で、「あちこちで生じている根拠のない非難や思い込みは、情報をかく乱し、客観的で公平な調査を妨げるための意図的なものだ」としている。

フィナンシャル・タイムズによると、ガス漏れの原因については、スウェーデンとデンマークが調査に当たっているが、デンマークのフレデリクセン首相やドイツの政府高官、ポーランドのモラウィエツキ首相のほか、米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)も、破壊活動によるものとの見方を示している。

ロシアはかねて、「ノルドストリーム1」の故障を理由に同パイプライン経由のガス供給を停止しているが、欧州側はこれが同国のウクライナ侵攻を受けた経済制裁への対抗措置とみている。「ノルドストリーム2」は2021年9月に敷設が完了し、既にガスも充填されているが、ウクライナ危機を背景にドイツが承認手続きを停止したため運用は開始されていない。


関連国・地域: EUスウェーデンデンマークロシア
関連業種: 運輸天然資源社会・事件

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