英国で6日、トラス新首相が就任し、新内閣の顔ぶれが発表された。財務相にはジョンソン前政権で民間企業・エネルギー・産業戦略相を務めたクワーテング氏が抜てきされ、黒人初の財務相に就任した。外相のクレバリー前教育相および内相のブレイバーマン前法務長官も共に非白人。こうした主要閣僚に白人男性が含まれないのは初めてで、多様性が意識された人事となった。
トラス氏と親しい間柄とされるコフィ前雇用・年金相は、副首相兼保健・社会福祉相に就任。ウォレス国防相は留任した。党首選でトラス氏を支持していたルイス元北アイルランド相は法相に、リースモグ前欧州連合(EU)離脱担当相は民間企業・エネルギー・産業戦略相にそれぞれ起用された。
与党・保守党党首選挙に出馬したバデノック元平等担当閣外相は国際貿易相に抜てきされ、初入閣。同じく候補者だったモーダント前貿易担当閣外相は、下院院内総務に就いた。なお、党首選で決選投票を争ったスナク元財務相をはじめ、スナク氏を支援したラーブ前副首相兼法相やシャップス前運輸相は入閣しなかった。
トラス氏はかねて、エネルギー危機への対策を打ち出す方針を示しており、8日にもこれが公表される見通し。エネルギー価格高騰が市民の生活に与える影響を緩和するため、光熱費の上限を年間2,500ポンド程度に凍結するとみられている。
英国のエネルギー業界の監督機関Ofgemは先に、10月1日から電気・ガス料金の上限を80%引き上げると発表。標準的な世帯の場合、年間の価格上限は現行の1,971ポンドから3,549ポンドに上がる。
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