ドイツ政府は4日、インフレが国民の生活に与える影響を緩和するため、650億ユーロの支援策を発表した。財源はエネルギー企業の超過利潤への課税などで賄う方針。ロシアのウクライナ侵攻に伴い加速したインフレ対策の第3弾で、支援総額は950億ユーロに上る。
ショルツ首相によると、政府はガス燃料を使用しない方法で発電する企業を対象に課税する方針。ガス価格の高騰に伴い電力市場価格が上がることで、こうした企業は過剰な利益を得ているとしている。政府はこの税収を、一般世帯の電気料金の負担軽減に充てる計画という。
今回の支援策では他にも、公共交通機関の運賃に対する補助の継続に向け15億ユーロを割り当てる。また、年金受給者に300ユーロ、学生に200ユーロの一時金をそれぞれ支給する計画だ。さらに、住居手当の対象者を拡大するほか、エネルギー集約型企業への支援策も年末まで延長する。
政府は、インフレ対策の第2弾までに300億ユーロを拠出。燃料税の税率引き下げのほか、月額9ユーロで公共交通機関に乗り放題のチケットなどを導入してきた。ドイツのインフレ率は6~7月に減速したものの、8月には年率7.9%に再び加速している。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。