英国の与党・保守党は5日、党首選挙でエリザベス・トラス外相(47)が選出されたと発表した。党員投票での得票数は8万1,326票と、対抗馬のリシ・スナク前財務相(42)の6万399票を上回った。両者の差は事前の世論調査より縮まった格好だ。トラス氏は6日、ジョンソン首相に代わって新首相に就任する。BBC電子版などが伝えた。
トラス氏は勝利後の演説で、減税と英国経済の成長に向けた大胆な策を取ると宣言。エネルギー危機や光熱費、国民医療制度(NHS)を巡る問題に取り組む姿勢を示している。また、早期選挙の実施を否定し、2024年の総選挙で保守党を大勝に導くと約束した。
同氏は近く、エネルギー価格高騰に対処する支援策を発表する予定。これには光熱費の凍結も含まれるとみられている。
ジョンソン氏は今回の結果を受け、トラス氏は生活費高騰に対処し、国を団結させ地域を活性化するための正しい計画を持っているとコメント。スナク氏は自身に投票した党員に感謝を述べ、トラス新首相が困難な時代にかじを取れるよう、団結する時だと呼びかけた。
党首選は約16万人の一般党員に投票資格が与えられ、投票率は82.6%だった。トラス氏の得票率は57.4%と、1998年に保守党員が党首選の投票権を得てから最低となった。19年にジョンソン氏が党首選で勝利した際の得票率は、66.4%だった。
ジョンソン首相は6日にエリザベス女王に辞意を表明し、トラス氏はその後、女王から正式に任命を受ける。なお、新首相はバッキンガム宮殿でエリザベス女王から任命を受けるのが伝統だが、今回は女王が滞在しているスコットランド北部のバルモラル城で任命される。
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