欧州連合(EU)によるロシア産石炭の輸入禁止措置が11日、発効した。この措置は、ロシアのウクライナ侵攻を受けた制裁の第5弾として4月に合意されたもの。これまでロシアの石炭に依存していた加盟国は、コロンビアやオーストラリア、米国からの輸入を増やしこれに備えてきた。
EUは制裁決定から4カ月間、既存契約分の輸入を完了するための猶予期間を設けていたが、8月10日にこれが終了。エネルギー分野での禁輸措置が初めて発効した格好だ。
EUはこれまで石炭輸入の約45%をロシアに依存しており、燃料炭に限ると7割近くがロシア産だった。中でも、ドイツやポーランドの依存度が高い。EU加盟国は制裁決定後、輸入元の切り替えを進め、6月にはコロンビアから燃料炭120万トンを輸入。前年同月から4.2倍に増えた。オーストラリアからの輸入は110万トンと過去最高に達し、米国からの輸入も1年前から28%近く伸びた。
欧州委員会は、ロシアの最大の石炭輸出先がEUであることから、禁輸措置は大きな打撃を与えると指摘。同国にとって年間80億ユーロの輸出収入減につながるとしている。
なおEUは6月、第6弾の経済制裁を正式に採択し発動。ロシア産石油の輸入を段階的に打ち切る内容で、原油については6カ月以内に、石油精製品については8カ月以内にそれぞれ輸入を禁止する。ただ、いずれも一部加盟国については当面、適用を免除している。[EU規制]
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