ロシアによるウクライナ侵攻とエネルギー価格高騰の打撃により、ドイツ経済は2030年までに2,600億ユーロ超の損失を被る――。ドイツ連邦労働局の研究機関である労働市場・職業研究所(IAB)は9日公表した最新調査で、こうした見方を明らかにした。来年の国内総生産(GDP)は、ウクライナ危機がなかった場合と比べて1.7ポイント押し下げられると試算している。
それによると、ウクライナ危機によって来年には雇用が24万人減少する見通し。2028年までは、年間平均15万人の雇用が失われるとみている。中でも、コロナ禍で既に打撃を受けているホスピタリティー産業や、エネルギー消費量の大きい化学産業と金属産業では大幅な雇用の喪失が見込まれるという。
一方、かねて人手不足が問題となっているドイツでは、難民流入により労働人口が増加している。景気の悪化により雇用水準はすぐには改善しないものの、25年以降は労働人口の拡大によるプラス効果が出始める見通しだ。[労務]
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