シンクタンクの国立経済社会研究所(NIESR)は3日、英国経済は第3四半期(7~9月)にリセッション(景気後退)入りし、これが来年第1四半期まで続く可能性があるとの見方を明らかにした。今年の国内総生産(GDP)成長率の見通しは3.5%と、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴う規制があった昨年と比べると良好だが、来年は0.5%にとどまるとしている。
6月のインフレ率は9.4%と過去40年で最高を記録。NIESRはインフレ率は第4四半期には11%近くに達し、その後は低下して来年第4四半期には3%程度になると予測する。
ただ、エネルギー価格の高騰など生活費の上昇により、2024年には貯蓄を使い果たす世帯が倍増して530万世帯になる見通し。これは全世帯の2割に相当する。また、貯蓄が可処分所得の2カ月分に満たない世帯は約700万世帯、食費と光熱費が可処分所得を上回る困窮世帯は約120万世帯に達する可能性もある。
NIESRは次期首相に対し、減税を優先するのではなく、光熱費の補助金の増額など最貧困層への直接的な支援を速やかに強化するよう求めている。一方、英中銀イングランド銀行に対しては、インフレの抑制に向けて来年末までに政策金利を3%に引き上げる必要があると指摘した。
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