英国の与党・保守党党首選の第5回投票が20日行われ、最終候補としてスナク前財務相とトラス外相が残った。両氏は22日から各地を遊説し、全国の保守党党員16万人による決選投票に臨む。新党首は9月5日に発表される。BBC電子版などが伝えた。
第1回投票から首位を維持してきたスナク氏は137票を獲得。トラス氏は113票だった。これまでスナク氏に次ぐ得票を確保してきたモーダント貿易担当閣外相だったが、今回は105票と、トラス氏に追い抜かれ落選となった。前回投票で脱落したバデノック前平等担当閣外相の票の大半がスナク、トラスの両氏に流れた。
最終候補の2人は25日にテレビ討論を行うことが決まっている。
スナク氏は、経済に重点を置き、財政収支が改善するまでは減税はしない方針を示している。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)下で財務相を務め、財政支出を大幅に拡大させた。夫人の納税問題と自身のロックダウン(都市封鎖)規制違反で評価を下げた。支持者にはシャップス運輸相やハント元外相、ラーブ副首相兼法相兼大法官、バークレイ保健・社会福祉相らがいる。
トラス外相は、早期減税を公約しているほか、4月に引き上げられた国民保険料の引き下げと、長期的にいわゆる「小さな政府」の実現を目指す。英国2人目の女性外相として、スパイ容疑で長年イランで拘束されていたナザニン・ラトクリフさんの解放を実現した功績を持つ。支持者には、ドリーズ・デジタル・文化・メディア・スポーツ相やリースモグ欧州連合(EU)離脱担当相のほか、党首選第2回投票で落選したブレイバーマン法務長官らが名を連ねる。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。