辞意を表明した英国のジョンソン首相の後任を決める与党・保守党の党首選に、トラス外相や先に辞任したスナク前財務相ら11人が出馬を表明した。同党は議会が夏季休暇に入る7月21日までに候補者を2人に絞り込んだ上で、決選投票を実施し、9月5日に新党首を選任する方針。BBC電子版などが伝えた。
11日夜までに出馬を表明しているのは両氏のほか、スナク氏と共に辞任したジャビド前保健・社会福祉相や、ザハウィ新財務相、ハント元外相、トゥーゲントハット下院外交委員長、モーダント貿易担当閣外相、シャップス運輸相ら。加えて、パテル内相も出馬を検討しているとみられる。
保守党議員委員会(1922年委員会)は11日の会合で党首選のルールや日程を決定。12日に立候補の受け付けを正式に開始し、同日中に締め切る。同委によると、候補者乱立を避けるため、保守党議員20人の支持を得ることを立候補の条件とする。2019年の前回党首選での条件は8人だった。
保守党議員による初回の投票は13日に行われ、候補者は次の投票に進むには30人以上の賛成票が必要となる。第2回投票は14日に実施され、投票は2人に絞り込まれるまで行われる。残った2人が保守党員による決選投票に臨む。
フィナンシャル・タイムズによると、保守党議員の支持獲得数は、現時点でスナク氏が39人と最も多く、これにモーダント氏(24人)、トゥーゲントハット氏(20人)、トラス氏(15人)が続いている。
党首選では、減税の是非や規模が争点となる見通し。スナク氏は財政状態を考慮し、党員の求める減税に安易に応じることはできないとする一方、他の多くの候補者は早々に減税を公約に掲げている。
ジョンソン政権は先に、スナク氏とジャビド氏の辞任をきっかけに、閣僚5人を含む約50人の高官が離反。これを受け、かねて不祥事が相次いでいたジョンソン首相は7日に辞意を表明したが、後任が選出されるまでは首相にとどまる方針。同氏は党首選ではどの候補者にも支持を表明しないとしている。
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