英国のスナク財務相とジャビド保健・社会福祉相が5日、相次いで辞任した。両氏は共に、コロナ規制違反パーティーなどの不祥事が続くジョンソン政権に対する失望を表明している。ジョンソン首相は即座に後任を指名したものの、主要閣僚2人の辞任により、さらなる窮地に追い込まれそうだ。
ジャビド氏は、「良心に照らし、このまま役職にとどまることはできない」として辞意を表明。ジョンソン氏に宛てた辞表では、先の与党・保守党の党首信任投票で多くの議員が信任を拒否したことに触れ、同氏の統率では状況は変わらないと指摘。ジャビド氏の信頼も失ったとしている。
これに続きスナク氏も、「国民は適格かつ有能で真剣な政権運営を期待している」として辞任。ジョンソン氏との根本的な方向性の違いが明確となり、このような状況下で続けることはできないと説明している。
他にも、高官や保守党幹部らが続々と辞任した。一方、トラス外相やラーブ副首相兼法相兼大法官らは残留を表明している。
ジョンソン氏は財務相の後任にザハウィ教育相を、保健・社会福祉相にはバークレイ首相首席補佐官を指名した。
ジョンソン氏を巡っては先に、保守党のピンチャー院内副幹事長が痴漢行為の報道を受け辞任したことで、任命責任が問われていた。首相官邸は当初、ジョンソン氏がピンチャー氏の過去の同様の疑惑を知らなかったと主張していたが、ジョンソン氏は後に報告を受けていたことを認め、任命は過ちだったと謝罪した。
2閣僚の辞任を受け、複数の保守党議員がジョンソン氏に辞任を要求。同氏が先の信任投票で続投を決めたことで、保守党は向こう1年はジョンソン氏の信任投票を実施できないが、この党則を変えようとする動きも出ている。
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