欧州連合(EU)は23~24日に開く首脳会議(サミット)で、ウクライナとモルドバをEU加盟候補国として正式に承認するとみられている。同時に加盟申請を行ったジョージア(旧グルジア)の承認は、見送られる見通し。これら諸国やバルカン諸国、英国などEU非加盟の周辺国も含めた「欧州政治共同体」の創設構想についても、協議が開始される。BBC電子版などが伝えた。
旧ソ連構成国であるウクライナと隣国モルドバ、ジョージアは、ロシアによるウクライナ侵攻を契機に相次いでEU加盟を申請。欧州委員会は先に、ウクライナとモルドバを加盟候補国として承認するよう推奨していた。ただ、ウクライナやモルドバがEU加盟を認められるのには、数十年かかる可能性もある。また、欧州委はジョージアについては承認見合わせを推奨している。
一方、EUサミットに先立っては、西バルカン諸国首脳も迎えた会談が行われた。ロイター通信によると、これら諸国のEU加盟問題については進展が見られなかったもようだ。同地域では長年、アルバニアと北マケドニア、モンテネグロ、セルビアの4カ国が加盟候補国の地位にとどまっているほか、ボスニア・ヘルツェゴビナは2016年に加盟申請を行ったものの、いまだ加盟候補国として承認されていない。
こうした中、フランスのマクロン大統領は5月、EUと域外周辺国から成る「欧州政治共同体」の創設構想を打ち出した。EUと並行的に存在する政治や安全保障、エネルギー面などでの新共同体を設立し、ウクライナやモルドバ、ジョージア、西バルカン諸国だけでなく、英国やスイスなど、EUと価値観を共有する国の参加を認めるべきとしている。
なお、今回のサミットでは、クロアチアによる欧州単一通貨ユーロ採用も承認される見通し。ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)は先に、同国が来年1月1日からユーロを導入することを支持していた。[EU規制]
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