欧州委員会は17日、ウクライナを欧州連合(EU)加盟候補国として推奨した。同国は今後、正式な加盟交渉の開始を目指すことになる。欧州委は併せて、隣国モルドバも加盟候補国として推奨したが、ジョージア(旧グルジア)は見合わせた。旧ソ連構成国であるこれら3カ国は、ロシアによるウクライナ侵攻を契機に相次いでEU加盟を申請していた。
欧州委はウクライナについて、民主主義や法の支配、人権、マイノリティーの尊重・保護を保証する制度的安定が進んでいるほか、マクロ経済における堅調な実績を評価。経済構造改革の継続など一部分野では対策が必要としたものの、加盟候補国としての地位を与えるべきと判断した。
フォンデアライエン欧州委員長は、「ウクライナは欧州の前途のために決死の覚悟を示している」とした上で、「同国が共に欧州の夢を生きることを願う」とコメントした。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、欧州委の判断について「EU加盟への第1歩であり、ウクライナを確実に勝利に近づけるものだ」として歓迎している。
EUは6月23~24日の首脳会議(サミット)で、ウクライナとモルドバをEU加盟候補国として正式に承認する見通し。
これに対しロシア大統領府のペスコフ報道官は、「さまざまな変化を慎重に検討する」とした上で、「EUの防衛面の強化」を注視していると話した。ロシアはかねて、欧米によるロシア近隣諸国の囲い込みが安全保障を脅かしていると主張し、ロシアが「軍事作戦」と呼ぶウクライナ侵攻を正当化している。
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