英産業連盟(CBI)が25日発表した4月の製造業の業況調査によれば、過去3カ月の新規受注が「増えた」と回答した企業は「減った」より8ポイント多く、昨年後半の水準に回復した。過去3カ月の生産量が「増えた」とした企業もプラス5ポイントと、製造業が回復傾向にあることを示している。
CBIは3月21日から4月11日にかけて394社を対象に調査を実施した。それによると、3カ月前と比べて業況を「より楽観視している」とした企業は、そうでない企業より22ポイント多く、過去2年で最高を記録。向こう3カ月の新規受注と生産量の見通しは、いずれも「増える」という答えが「減る」より24ポイント多かった。
投資意欲も回復を示しており、特に向こう12カ月でイノベーションと訓練・再訓練に投資するとの回答が多かった。工場・機械に投資するとの回答も1年ぶりにプラスを回復、1997年7月以降で最高を記録した。
CBIの首席エコノミスト、イアン・マカファーティ氏は、「年初以来、欧州および世界の需要に関する強い不安感は遠のき、1年ぶりに製造業の業況が改善している」と指摘している。
■リセッション入りは「意外」
CBIは併せて、政府統計局(ONS)がこの日に発表した第1四半期(1~3月)の国内総生産(GDP)がマイナス0.2%となり、英国経済がリセッション(景気後退)入りしたことについて「意外だ」とするコメントを発表した。
CBIのジョン・クリッドランド事務局長は「年初から景況感は改善しており、経済状況もまだ思わしくないとはいえ上向いている」と述べ、今後の景気見通しについて「ユーロ圏債務危機による打撃から徐々に回復する兆しが見られる」と期待感を示した。
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