スナク財務相は26日、光熱費や物価の高騰による家計への打撃を緩和するため、総額150億ポンドの支援策を発表した。資金のうち50億ポンドは、石油・ガス企業に対する特別利潤税で賄う方針。支援策には、全世帯を対象とした一律400ポンドの光熱費補助に加え、貧困世帯向けの一律補助の給付が含まれている。
同相は2月、電力料金を10月から一律200ポンド減額し、2023年以降の料金への上乗せによりこれを回収する計画を打ち出していた。今回、この金額を一律400ポンドに倍増し、返済不要の補助金として支給する方針を示した。また、低所得層の約800万世帯に一律650ポンドの生活費補助を支給。低所得の年金生活者世帯と障害者には、それぞれ一律300ポンド、150ポンドの生活費補助を支給する。
政府は支援策の財源の一部として、エネルギー価格高騰で好業績を上げている石油・ガス企業の利益に一時的に25%の「エネルギー利益賦課金」を課す。これにより、向こう1年で約50億ポンドの税収が得られる見通し。また、投資意欲の減退を避けるため、投資費用の税控除を拡大する。「エネルギー利益賦課金」は、石油・ガス価格が通常水準に戻れば段階的に廃止する。
政府はかねて、最大野党・労働党が求める特別利潤税の導入に抵抗していたが、ここへきて方針を転換するとの見方が強まっていた。ガス価格の高騰を受け利益が急増している発電事業者も特別利潤税の対象に含める方針と報じられていたが、こちらは「特別利潤の規模を検討する」と述べるにとどまっている。
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