英国で5日、地方選挙の投票が行われた。ロンドンでは、歴史的に国政与党・保守党が支配してきたバーネットとウエストミンスター、ワンズワースの各区議会選で、最大野党・労働党が過半数議席を獲得。保守党は、イングランド各地の議会選でも議席数を大きく減らしており、ジョンソン首相にとっては痛手となりそうだ。BBC電子版が伝えた。
政府機関が集中するウエストミンスターとユダヤ人人口が多いバーネットで労働党が勝利するのは、1964年の第1回目の特別区議会選以降で初めて。ワンズワース区議会も過去44年にわたり保守党が支配してきた。
イングランドでは全146自治体で議会選が行われ、107自治体の開票結果が出た段階で、労働党は45議席増の計1,422議席を獲得。保守党は700議席と、180議席減らしている。自由民主党も善戦し、79議席増やして368議席を獲得しているほか、緑の党も35議席増の66議席を確保している。
今回の地方選では、物価の高騰やジョンソン首相が官邸で新型コロナウイルス規制違反のパーティーを開き罰金を科された問題などを背景に、保守党の苦戦が予想されていた。
ただイングランド中西部では、保守党がレディッチ(Redditch)やダドリー(Dudley)で議席数を減らしながらも過半数を維持。一方、イングランド北部のサルフォードや中部サンドウェルでは、歴史的に強い労働党が過半数を維持したものの、議席数を減らした。
保守党のダウデン委員長は「ロンドンなど一部地域は厳しい結果となったが、労働党は次期政権を担うほどの勢いは示せていない」とコメントしている。
地方選挙ではほかに、スコットランドとウエールズの地方議会選と、北アイルランド議会の選挙も行われており、最終結果が出そろうのは7日朝になる見通し。
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