ドイツのショルツ首相は2日、ベルリンを訪問中のインドのモディ首相と会談した。両国はインドのクリーンエネルギーの利用促進に向け、2030年までに100億ユーロを支援することなどを盛り込んだ2国間協定に調印した。
協定は、再生可能エネルギーや水素の生産・利用の拡大に向けた技術支援、温室効果ガスの排出削減、生物多様性の保護、農地利用の改善などを対象とする。中でも水素の生産・利用では、持続可能なグリーン水素製造における革新的なソリューションの開発協力、両国の産学官連携を進める作業部会の設立などに取り組む。このほか両国間で合意した協力分野には、移民や原子力研究、政府間の安全な通信手段の確立がある。
ドイツは、欧州連合(EU)や米国のロシアへの厳しい姿勢に対して、インドから支持を引き出すことを狙っている。ショルツ氏は会談後の記者会見で「インドはドイツにとって、経済や安全保障、気候政策でアジアにおける重要なパートナーである」と強調し、6月にドイツで開催する主要7カ国(G7)首脳会議にインドをインドネシアやセネガル、南アフリカとともにオブザーバー国として招待することを明らかにした。
一方、モディ首相は「インドとドイツは民主主義国家として共通の価値観を持つ」と述べたものの、ロシアとウクライナの双方に戦闘を終わらせるよう改めて呼び掛け、ロシアへの直接的な非難は控えた。この背景には、インドが武器などの輸入でロシアに大きく依存していることがある。[環境ニュース]
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