英国政府は25日、既存の対ウクライナ自由貿易協定に基づくすべての輸入品について、関税と割当量を撤廃すると発表した。ウクライナ政府の要請を受けた措置で、ロシアの侵攻により打撃を受けているウクライナ経済を支援する狙い。
ジョンソン首相は先にウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問した際、同国のゼレンスキー大統領からこうした措置の要請を受け、承諾していた。
ロイター通信によると、ウクライナからの現行の輸入関税率は平均約22%。英政府は、ウクライナの主要産品である大麦やはちみつ、トマト缶詰、鶏肉などの輸入関税をゼロに引き下げることにより、同国の企業や生産者を支援する方針。英国は見返りを求めていないものの、ウクライナも英国からの輸入品に同等の措置をとる可能性が高い。
英政府は併せて、ロシアに対する新経済制裁として、盗聴・監視機器を輸出禁止品目に追加すると発表した。ロシア政府がこうした機器をウクライナ国民の監視に使用することを避けるため。
英国は21日にもロシアへの追加制裁を発表したばかり。ロシア産のキャビアや銀、木製品などの輸入を禁止し、ダイヤモンドやゴムなどの関税率を35%に引き上げるほか、新興財閥などの個人や企業26件に資産凍結や渡英禁止を適用するとしていた。
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