ドイツ南西部ザールラント州で27日に行われた州議会(定数51)選挙では、ショルツ首相率いる中道左派・社会民主党(SPD)が29議席を獲得し、最大野党の中道右派・キリスト教民主同盟(CDU)を抑えて勝利した。同州でSPDが第1党となるのは23年ぶり。昨年12月の政権交代以降で初の州議会選だったが、ショルツ政権の基盤がさらに強まった格好だ。
選挙管理委員会が発表した暫定結果によると、SPDの得票率は43.5%で、前回2017年の選挙から14ポイント増えた。SPDは同州ではCDUと連立を組んでいたが、過半数を得たことで今後は単独での政権運営が可能となる。
一方、CDUは28.5%と前回の40.7%から大きく下落した。これに、右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」(5.7%)が続く。国政でSPDと連立を組む環境政党・緑の党(4.9%)およびリベラル派の自由民主党(FDP、4.8%)は、いずれも議席獲得に必要な5%を下回った。
ザールラント州の首相には、SPDのアンケ・レーリンガ氏(45歳)が就任する見通し。レーリンガ氏は選挙後、「SPDは市民の信頼を取り戻した」と勝利を宣言し、単独で政権を運営する方針を示した。
ロイター通信によると、最新の世論調査では、ショルツ首相がロシアへのエネルギー依存から脱却する路線を明確にしたことなどを受け、SPDや、同じく対ロシア強硬路線を取る緑の党とFDPの支持率が向上していた。
なお、CDUが政権運営を行う西部ノルトライン・ウェストファーレン州と北部シュレスウィヒ・ホルシュタイン州では5月に、北西部ニーダーザクセン州では10月にそれぞれ州議会選挙が行われる予定。
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