英国政府は11日、ロシアのウクライナ侵攻を受けた経済制裁を強化し、ロシア国家会議(下院)の議員386人を新たに制裁対象に指定したと発表した。ウクライナ東部の親露派勢力が実効支配する地域の独立を支持したためとしている。
これらの議員は2月、ロシア下院でウクライナ東部の2地域を「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」として承認する案の採決が行われた際、賛成票を投じた。プーチン大統領はこれを機に、ロシア軍にウクライナ侵攻を命じていた。
これら386人は英国内の資産が凍結されるほか、英国への渡航が禁止される。
英国政府はこの前日、ロシア新興財閥オルガリヒの7人を新たに制裁対象に指定したばかりだった。英外務省によると、ロシアのウクライナ侵攻後に英国が経済制裁を科した個人は、今回を含めて500人超となる。
■当局、銀行に情報提供を要請
英国の金融行為監督機構(FCA)は国内の銀行に対し、制裁対象となったロシアの企業や個人との関係を断つだけでなく、その後の動きに関する情報提供も求めているもようだ。新興財閥などの資金ネットワークを解明し、制裁回避を防止する狙い。銀行側もこれに応じているという。フィナンシャル・タイムズが13日伝えた。
FCAは「銀行の視点から制裁対象者の行動を注視することは極めて重要」とコメント。情報開示を怠った銀行は「オープンさと透明性」に欠けると見なされると警告している。金融業界団体UKファイナンスは、「政府の制裁活動を全面的に支持する」としている。
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