英国のジョンソン首相は7日、ロシアのウクライナ侵攻を受け、ロシアへのエネルギー依存を減らすためのエネルギー戦略を打ち出すと明らかにした。自国の石油・ガス資源の利用拡大を検討する一方、炭素排出の削減目標は維持するとしている。BBC電子版などが伝えた。
ジョンソン氏は、エネルギー自給率を上げるため石油・ガスの利用を増やすとともに、原子力発電と再生可能エネルギーを拡大する必要があると説明。近くエネルギー戦略およびエネルギー供給戦略を公表するとしている。
一方、政府はシェール(頁岩)ガスの採掘再開については検討していないとされる。英国では2019年、フラッキング(水圧破砕法)によるシェールガスの採掘が実質的に禁止されたが、40人近い議員が採掘の再開を求めている。しかし、クワーテング民間企業・エネルギー・産業戦略相は、シェールガスにより短期的にエネルギー価格を下げることはできないと指摘する。
英国のロシアへのガス依存率は4%にすぎないが、ロシアから欧州全体への供給が減ることで競争が激化し、国内企業の利用可能量が減る恐れもある。英国の電気・ガス料金はウクライナ侵攻前から高騰しており、エネルギー業界の監督機関Ofgemは2月、4月から電気・ガスの合計料金の上限を54%引き上げて1,971ポンドとすると発表。10月にはこれが3,000~3,400ポンドに上がる可能性も懸念されている。
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