ドイツの連邦政府と州政府は16日、新型コロナウイルスの感染対策規制を3月20日までにほぼ撤廃することで合意した。3段階に分けて、集会可能人数の上限や、小売店や飲食店を利用する際の規制などを解除する。ただショルツ首相は「パンデミック(世界的大流行)は終わっていない」として引き続き警戒を呼び掛けている。
第1段階は同日から施行され、小売店の入店時に必要となるワクチン接種証明の提示を廃止する。ただ、店舗内でのマスク着用義務は継続する。私的な集まりについては ワクチン接種者と感染からの回復者の人数制限を撤廃。ワクチン未接種者の場合は、最大2人までに制限される。
第2段階は3月4日に実施する。飲食店と宿泊施設の利用は、ワクチン接種者と感染からの回復者に加え、陰性結果が証明できればワクチン未接種者も可能となる。スポーツなどのイベントは屋内では収容人数の6割まで(または最大6,000人)、屋外では75%まで(または最大2万5,000人)の観客入場がそれぞれ認められる。ナイトクラブの営業も再開できる。
第3段階として、3月20日には店舗の利用制限や可能な場合に在宅勤務を求める規則といった残りの規制のほとんどが解除される。一方、これ以降も屋内や公共交通機関におけるマスク着用や社会的距離の確保は求められる。
これらの規制緩和策は、その都度、感染状況と照らし合わせて適しているか判断するほか、実行するかは各州政府に委ねられる。
ショルツ首相は「長い年月を経たが、事態の改善はまさに目の前にある」と強調。半面、規制緩和はパンデミックの終息を意味するわけではなく、「秋から冬にかけて新たな変異株が出現するなど状況が悪化する可能性もある」としている。
ショルツ首相と連邦政府は3月17日に再協議し、感染状況に応じてその後の方針を決める見通し。
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