英政府は14日、スコットランドに経済特区の「フリーポート」2カ所を設置することで、スコットランド自治政府と合意したと発表した。今春には入札を開始して設置する場所を決め、来年にも開設する。
フリーポートとは、国内一般の地域と異なる税関規則が適用される地域。外国貨物は国内市場に流入しない限り無関税で、そのまま国外に輸出される中継貿易なら輸入関税がかからない。原材料を輸入し、製品に仕上げて輸出する加工貿易の場合、関税の対象となるのは完成品のみ。スコットランド自治政府は、入札の条件として2045年までに地域の温室効果ガス排出量を実質的にゼロとする「ネットゼロ」を課すため、「グリーン・フリーポート」と呼ばれる。
英政府は、地域の経済格差を是正する政策の一環としてフリーポートの設置を推進しており、今回のフリーポート2カ所にも最大5,200万ポンドの支援を決めている。入札は今春に着手して夏には締め切り、英政府とスコットランド自治政府が共同で審査と選定を行う。入札は企業や地方自治体、公共団体などがコンソーシアムを組んで応じることもできるが、地域の再生方法や質の高い雇用の創出、ネットゼロ経済への移行に対する支援方法を示さなければならない。港湾や空港などを中心に、最大45キロの範囲まで地域を指定できる。
この発表は、ジョンソン首相のスコットランド訪問と合わせて行われた。同首相は、「フリーポートは雇用と投資機会を創出することで真の変革をもたらす力があり、スコットランド中の人々がその利益を享受できる」と述べている。
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