ドイツ連邦統計庁は14日、2021年の国内総生産(GDP、速報値)が前年比2.7%増加したと発表した。供給の混乱や原材料不足にもかかわらず、昨年のマイナス4.6%からプラスに転じた。一方、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の水準には依然として回復していない。
支出項目別では、投資を示す総固定資本形成は1.3%増え、昨年のマイナス2.2%からプラスに転じた。政府最終消費支出は3.4%拡大。家計最終消費支出はゼロ%だった。輸出は9.4%、輸入は8.6%それぞれ伸び、昨年のマイナス9.3%、マイナス8.6%からいずれもプラス成長を遂げた。輸出から輸入を差し引いた純輸出はGDPを0.9ポイント押し上げた。
GDPは季節要因・稼働日数調整後でも2.7%拡大した。
連邦統計庁は、生産活動が大幅に縮小した20年とは対照的に、昨年はほぼ全ての部門で経済活動が改善したとコメント。ただ、経済成長は新型コロナウイルスの感染状況や規制に大きく左右されていたと指摘した。なお、21年のGDPはパンデミック前の19年比では2%減少している。
中銀のドイツ連邦銀行は昨年12月、今年のGDP成長率は4.2%になるとの見通しを明らかにした。春までに新型コロナ関連の規制はほぼ撤廃され、以後は個人消費が力強く伸びると予想。供給の停滞も年末までに解消され、特に輸出が一時的に大きく成長するとしている。
21年第4四半期(10~12月)のGDP速報値は28日に公表される予定。
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