英国の一部住宅に使われている可燃性のある外装材の除去を巡り、英政府は10日、物件購入者に代わりデベロッパーに除去費用の負担を義務付けると発表した。デベロッパーの負担額は総額40億ポンドに上る見通し。
新たな対策案では、高さ11~18.5メートルの建物の外装材の除去費用をデベロッパーに求める。これにより、物件の購入者は外装材除去のための工事費用を一切負担する必要がなくなる。デベロッパーが自発的に支払わない場合、政府は法的強制力をもって警告するとしている。
政府は既に、高さ18.5メートル以上の高層建物の外装材を取り除くために最大50億ポンドを拠出すると明らかにしていた。
「クラッディング」と呼ばれるこの外装材の除去には、1棟当たり数百万ポンドが必要とされる。イングランドとウェールズでは、除去費用は原則として物件の購入者が負う。中には住宅の購入後に外装材の問題が発覚し、高額な請求にひっ迫し売却もできないことから自己破産した人もいるなど、多くの人が経済的に追い込まれている。
2017年に大規模火災が発生し、72人が死亡したロンドン中心部の高層公営住宅「グレンフェル・タワー」には、可燃性の外装材が使われていた。その後の調査で、全国の建築物で同様の外装材が使われていることが発覚したことから政府が対策に乗り出していた。
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