金融情報サービス会社IHSマークイットは4日、2021年12月の英国の製造業PMI(購買担当者景気指数、確定値)が57.9になったと発表した。速報値から0.3ポイント上方修正され、過去3カ月で最高だった11月からはわずかに0.2ポイント低下。景気の「改善」と「悪化」の境目である50は19カ月連続で上回っている。
生産高の伸びは過去4カ月で最も加速。新規受注は外需が4カ月連続で縮小したが、内需の拡大がこれを補い、全体では増加した。雇用は12カ月連続で拡大。仕入れ価格はさらに大幅に上昇し、出荷価格の上昇幅は統計開始以降で最大を更新した。今後の見通しは、世界経済の再成長や、新型コロナウイルスやブレグジットによる混乱緩和への期待などを背景に、プラスの領域にとどまっている。
IHSマークイットのディレクターであるロブ・ドブソン氏は、生産高の拡大は好ましいが、サプライチェーン(調達・供給網)の混乱や輸出低迷により21年半ばと比べると伸びは小幅にとどまっていると指摘。サプライチェーンは依然として厳しい状況にあるものの、製品納入までの平均期間の延びが過去1年で最も減速するなど安定化の兆しが見られ、仕入れ価格の上昇緩和に寄与したとしている。
■アイルランドも低下
アイルランドの金融大手アライド・ アイリッシュ・バンク(AIB)によると、12月のアイルランドの製造業PMIは58.3となった。前月から1.6ポイント低下している。生産高と新規受注は共に10カ月連続で増加。雇用ペースは過去10カ月で最も減速した。仕入れ価格と出荷価格の伸びはいずれも緩和している。
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