ドイツの新連立政権は13日、2021年度の第2次補正予算案を閣議承認した。気候変動基金向けに600億ユーロを積み増す。グリーン経済への移行に向けた今後の投資に備える狙いで、資金は借り入れにより調達する。
リベラル派の自由民主党(FDP)の党首を務めるリントナー財務相は「600億ユーロを将来への投資に振り向けることにより、経済が活性化される」と話している。
ロイター通信によると、これにより気候変動基金の資金総額は来年初めの段階で762億ユーロとなる。政府は同基金を通じて、電気自動車(EV)向け充電ポイントの拡充や、住宅の断熱性の改善といった気候変動対策に加え、経済のデジタル化に向けた公共投資を促す方針。
第1党の中道左派・社会民主党(SPD)と環境政党・緑の党、FDPの3党はかねて、今年の予算で承認された借入枠2,400億ユーロのうち、未使用のまま残されていた部分を同基金向けに転用し、借入枠の拡大を避けることで合意していた。
ドイツでは憲法により借入金の上限が定められているが、議会は新型コロナウイルス危機を受け、昨年にこの債務上限を停止。企業の支援などに向け昨年は1,300億ユーロ、今年は2,400億ユーロの新規借り入れを政府に認めていた。今回の補正予算により、新政権は今年分の借入枠をほぼ全て使い切る見通しとなる。
なお、連立政権は来年度も債務上限の停止を継続し、1,000億ユーロの借入枠を設定する方針。ただ、23年以降は憲法上の借り入れ上限を復活させるとしている。[環境ニュース]
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