英国の首相官邸で昨年12月、新型コロナウイルス対策規制に反してクリスマスパーティーが開催されたとされる問題を巡り、官邸スタッフがこれをジョークのネタにしていた映像が流出し批判を集めている。ジョンソン首相はこれについて謝罪したが、パーティーは開かれていないと説明している。民放大手ITVが入手した映像を元に、BBC電子版などが8日伝えた。
今回の映像が撮影されたのは、パーティーが開催されたとされる昨年12月18日から4日後の22日。首相官邸の報道官だったアレグラ・ストラットン氏が記者会見のリハーサルを行う中、記者席に座っていた同僚が、質疑応答をまねて「首相官邸でクリスマスパーティーが開かれたとツイッターで見たのですが」と質問した。ストラットン氏は返答に詰まったが、同僚とのジョークを交えたやり取りの末、「架空のパーティーは仕事の会議で、社会的距離は保たれていなかった」と笑いながら答えた。
このパーティーにジョンソン首相は参加しなかったとみられているが、40~50人が集まり、飲食物やゲームが提供されたとされる。ロンドンの警戒レベルは当時、最も規制が厳しい「非常に高い(ティア3)」で、異世帯間の屋内交流は禁止され、会議であっても参加人数には30人の上限が設けられていた。
同首相は、流出映像について謝罪したが、パーティーは開催されておらず、規制の違反もなかったとあらためて強調している。なお、渦中のストラットン氏はこの日、ロンドンの自宅前で涙ながらに声明を読み上げ、報道官の職を辞したことを明らかにした。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。